200°C以上のプラズマ工程でVitonのOリングを使用すると、早期劣化によりガス漏れが発生します。この環境ではKalrez 6375以上のグレードが必須です。 OHI TechはViton、Kalrez、Chemraz Oリングを供給しており、工程別の材質選定ミス事例を直接確認してきました。
結論:高温プラズマ工程でのViton使用は危険です
Vitonは200°Cの限界を超えると急激に劣化します。ICPエッチング、ALD(200〜350°C)工程でVitonを使用すると、Oリングが早期に破損しガス漏れが発生します。
この環境ではKalrez 6375以上のグレードが必須です。価格差は大きいものの、装置ダウンタイム1回分のコストと比べればKalrezの方がはるかに経済的です。
Viton vs Kalrez vs Chemraz 材質比較

| 項目 | Viton (FKM) | Kalrez (FFKM) | Chemraz (FFKM) |
|---|---|---|---|
| 耐熱性 | -20〜200°C | -20〜327°C | -20〜316°C |
| 化学耐性 | 炭化水素・酸・オイル | ほぼ全ての薬品 | ほぼ全ての薬品 |
| 耐プラズマ性 | 中程度 | 非常に高い | 非常に高い |
| 圧縮永久ひずみ | 中程度 | 低い | 一部グレードはKalrezより低い |
| 価格 | 低い | 非常に高い | 高い(Kalrezよりやや低い) |
| 主な用途 | PVD、低温CVD | ICP、ALD、高腐食性 | 高温・高圧シール |
工程別Oリング材質選定基準
| 工程 | 温度 | 主なガス | 推奨材質 |
|---|---|---|---|
| プラズマエッチング(CCP) | 80〜150°C | Cl₂, HBr, CF₄ | Kalrez, Chemraz |
| プラズマエッチング(ICP) | 150〜250°C | SF₆, NF₃ | Kalrez 6375+ |
| PECVD | 200〜400°C | SiH₄, NH₃ | Kalrez 6221 |
| イオン注入(Implant) | 常温〜100°C | BF₃, AsH₃ | Kalrez |
| スパッタリング(PVD) | 100〜200°C | Ar, N₂ | VitonまたはKalrez |
| ALD | 200〜350°C | TMA, H₂O | Kalrez 6375+ |
最も多い3つのOリング選定ミス
ミス1:ICPエッチングチャンバーでVitonを使用 250°C以上の環境ではVitonが劣化し、破片がチャンバーを汚染します。Kalrez 6375以上に交換する必要があります。
ミス2:寸法を内径(ID)だけ確認 Oリングの寸法はID(内径)、OD(外径)、CS(断面径)の3つすべてを確認する必要があります。CSが合わないとシール力が低下します。
ミス3:予防交換周期を無視するケース PM周期でOリングを交換しないと、劣化したOリングからパーティクルが発生します。外観上問題がなくても予防交換が原則です。
Oリング管理のポイント
- 保管:18〜25°Cの冷暗所、直射日光・オゾン・熱源を遮断
- 圧縮率:設置時25%以下を推奨(過度な圧縮=寿命短縮)
- PM交換周期:四半期に1回の予防交換が基本(高温工程は2ヶ月毎)
- 寸法3種の確認必須:ID × OD × CS
よくある質問(FAQ)
Q1. KalrezとChemraz、どちらを選べばよいですか? ほとんどの半導体工程ではKalrezが標準です。高温・高圧の特殊環境で圧縮永久ひずみ率が重要な場合は、条件に合ったChemrazグレードが有利になることがあります。工程条件をお知らせいただければ最適なグレードをご提案します。
Q2. 現在使用中のOリングの材質はどう確認しますか? 表面の刻印やパーツ番号で確認できます。刻印がない場合はサンプルをお送りいただければ、OHI Techが材質分析の上で代替材質をご提案します。
Q3. 緊急の少量発注も可能ですか? 1個単位の少量発注、緊急供給ともに対応可能です。寸法(ID × OD × CS)と材質グレードをお知らせいただければ、在庫状況を直ちに確認いたします。
Oリングの材質選定や緊急供給が必要な場合は、工程環境と寸法をお知らせください。jino.kim@ohitech.co.kr